サルにはいろんなコミュニケーション手法があるんです
まるで人間の日常会話のように交わされていて、サル関係(?)や集団間の関係をとりもつようなコミュニケーションが存在します。
本日は、小田亮さんの著書、「サルのことば」(京都大学学術出版会)に書かれているニホンザルのコミュニケーションについてご紹介しますね

写真は下北半島のサル調査会さんからお借りしています
●屋久島のニホンザルのコンタクト・コール
ヒト以外の霊長類の音声のなかでも目立つのは、叫び声、悲鳴の類や警戒音である。しかしながらかれらはもっとおだやかな日常的な音声レパートリーももっている。」かれらが日常の活動の際に発するある種の音声は一般にコンタクト・コールと呼ばれており、低く、澄んだ音で、個体のあいだにしばしば鳴き交わしがみられる。その様子はヒトの日常会話を思い出させるものだ。森林のなかでは群れのメンバーが互いの姿を確認するのが困難な場合が多いことから、この音声を鳴き交わすことにより互いの位置を確認しあい、集団のまとまりを保っているのだと考えられている。彼らは決してランダムに音声を発しているのではなく、そこにはルールやパターンがみられる。
鹿児島の沖、屋久島の森に分け入るとニホンザルが「クー」「クー」と鳴きかわすのを聞くことができる。京都大学の杉浦秀樹によると、このクー・コールはまったくでたらめに鳴き交わされているわけではない。ある個体が「クー」と鳴き、続いて別の個体が鳴いたときの時間間隔を調べると、続いて発せられたクー・コールの80パーセント以上た先の音声から0.7秒以内におこっていることが明らかになった。また同じ個体が連続して0.8秒以内に続いて発声することはほとんどなく、90パーセント以上が0.8秒すぎてからおこっている。つまりニホンザルには、誰かの「クー」コールに応答したければ0.7秒以内に発声するというルールがあり、先に発した個体は0.8秒待てみて応答がなければ再度発生を繰り返していると考えられる。かれらの間には一種の会話のルールのようなものが共有されているといえる。
かれらがもっているのはこのような時間的ルールだけではない。あるクー・コールから0.7秒以内に発せられた応答と考えられるクー・コールを録音し、周波数分析をおこなったところ、その音響的特徴が先行するクー・コールによく似ていることが明らかになった。例えば先行するクー・コールが抑揚の大きな音であれば、返事のクー・コールの抑揚も大きくなるし、小さな抑揚であれば返事のそれも小さくなる。0.7秒以降のクー・コールにはこのような現象は見られなかった。つまり、ニホンザルはクー・コールに応答するとき、相手のクー・コールに似せた音声を発しているのである。クー・コールがかなり意図的に調音されていることを、この研究は示している。
では、彼らはこのクー・コールをどのような相手とよく鳴き交わしているのだろうか。ニホンザルはメスとそのコドモを中心とした母系社会を形成しており、複数の家系が集まってひとつの群れをつくっている。やはり屋久島のニホンザル集団についてクー・コールの鳴き交わしの頻度を調べた研究によると、各家系の母系家長、つまりその家系でいちばん上にいるメス同士のあいだに頻繁に音声交換がおこっている。
サルも人間も仲間同士の関係を円滑にしたいっていうところは同じなんですね~
そして、「鳴き交わし」のほかに、仲良くなる手段がもうひとつあるんです。
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