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2009年08月01日

ミラー「システム」とは?

Makak_neonatal_imitation.png

「ミラーニューロン」について、その存在をご存知の方も多いと思いますが、改めてミラーニューロンというものを考えてみたいと思います。
最近、ちょうど m061 「ミラーニューロン」ジャコモ・リゾラッティ&コラド・シニガリア著(紀伊國屋書店)や、 m061 「ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学」マルコ・イアコボーニ著(早川書房)がほぼ同時に出版され、ぼくも「ミラーニューロン」を読み始めたところです。(忙しくてなかなか読む時間が取れていませんが… m108 )この本を読む中で重要な気付きがあれば、また紹介させていただきます。
それに先立って、今回はその前座(?)ということで、ミラーニューロンについてと、ミラーニューロンに限らず、「脳」の問題について考える際に注意したい点を押さえなおしてみます。

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まず、簡単にミラーニューロンとは、

ミラーニューロンは霊長類などの動物が自ら行動する時と、その行動と同じ行動を他の同種の個体が行っているのを観察している時の両方で活動電位を発生させる神経細胞である。したがって、他の個体の行動に対して、まるで自身が同じ行動をしているかのように"鏡"のような活動をする。(Wikipedia)

このミラーニューロンはマカクザルにおいて存在することが確認されていて、人類にも存在すると考えられています。また、ミラーニューロンは人類の言語機能を司る運動性言語野に組み込まれているため、その働きが言語獲得過程において非常に重要な役割を果たしているのではないかとも考えられています。そして、「共感」との関係、他者の意図を理解しようとする際の働きなども注目されています m030

しかし、ここで注意しなければならないのは、ミラーニューロンの話が人間においてはしばしばミラーシステム、もしくはミラーニューロンシステムと表現されるように、必ずしも「ミラーニューロン」に限ってシステムを捉える必要はないということです。つまり、ミラーニューロンという細胞があるかないかが本質ではなく、そのように働くシステムが存在するか否か、そしてそのシステムはどのように働いているのか、が重要ということになりそうです。
m159 脳はシステムとして発達してきたという点は、この話に限らず、脳について考える上で非常に重要になりそうです Rolling Eyes

ただし、現在、霊長類であるマカクザルにおいて確認されているミラーニューロンの働きを知ることは、当然大いに参考になることであり、重要なことであることに変わりはないでしょう。

そのような視点から、ミラーニューロンについて、考えていきたいと思います。

最後に、「心」の発達とミラーニューロンシステムの関係について、おもしろい研究が紹介されていたので、紹介します m042

①2ヶ月齢における乳幼児 ― 脳の全域に渡り様々な感覚刺激に反応するニューロンが分布し,それは「いろいろな知覚の間のリンクの形成」に関り、この過程での感覚刺激に反応するニューロンの役割は,生涯の初期に始まる動機づけや選好性の問題と結びつく

②2ヶ月齢から6ヶ月齢 ― この時期には運動前皮質のミラーニューロンが発達に強い影響を及ぼし,感覚-知覚系の組織化が進むにつれて,乳児にとって大切な人の顔に対する興味が増し,更に運動コントロール能力が発達して,顔の微妙なジェスチャーに対する特異的な反応様式を身に付け,社会的な能力が増大する。いろいろな感覚刺激に反応するニューロンが母子の相互関係を通じて刺激され,どんな感覚がどんな感情を呼び起こすかについて,生まれつきの選好(価値判断機構)とが,「感情的調和」の経験や調和能力に結びついて行く。

③7ヶ月齢から9ヶ月齢 ― ミラーニューロンの関与する神経生理的メカニズムが促進し,このシステムによってジェスチャー,姿勢,顔の表情の理解とそれに対する反応が瞬間的にできるようになり,他者を主観的な存在として認知する能力が発達する。

確かに、人間において、言語の獲得よりも先に「表情」を獲得しており、その段階で既に「心」が形成されている、と考えた方が自然です。

今回は以上です m300
本を読んで気付きが得られれば、また紹介しようと思います tikara

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