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2009年01月27日

なんでや劇場レポート1~中心体が司令塔になれたのは何で~

今回から3回のシリーズに分けて、先日行われた第99回なんでや劇場のレポートを書いてみたいと思います。

劇場のテーマは「生命の起源にせまる2 ~中心体が司令塔になれたのはなんで?~」です。

まずは前回の劇場の復習から。

前回の劇場での中心ポイントは、真核細胞の分裂は一番初めに中心体から分裂する、ということ。

まず中心体が分裂しなければDNAは分裂しない。

そして中心体の設計情報はDNAにはなく、中心体は自己複製能力をもつ。

これが中心体が司令塔といわれる所以です。

m132 では中心体とは何者? Rolling Eyes

中心体は中心小体と中心体周辺物質からなる。

その中でも分裂はまず中心小体から行われる。

中心小体は微小管が束になった構造で、チューブリンタンパク質とGTP、GDPから成っている。

GTP、GDPはヌクレオチドのこと。

つまり、ヌクレオチドがタンパク質を繋いでいるという関係です。

微小管はGTP、GDPを介して伸長・収縮することができる機能を有しており、中心小体も分裂時にはGTPを介して伸長することができます。

詳しく復習したい方は⇒こちらを参照してください。

m132 ではGTP、GDPの違いは? Rolling Eyes

二リン酸と三リン酸ではエネルギー量が違います。

リンを手放す事で接合エネルギーを放出。

つまりヌクレオチドはエネルギーを蓄える倉庫のようなもの。

このヌクレオチドは生命の初期段階でできた低分子化合物であり、リンの出し入れでエネルギーを出し入れする媒介といえます。

エネルギーとは仕事をする原動力ですから、細胞内にエネルギーが高い状態というのは色んな仕事ができることに繋がっていきます。 tikara

リンの復習は⇒こちらを参照してください。


m132 では、そのような中心体の原基構造は原核細胞にはあるのだろうか? Rolling Eyes

残念な事にその姿は見えていません。 m002
しかし、真核細胞の中心体の構造である、ヌクレオチドを媒介にチューブリンタンパク質を繋ぐ構造や、分裂時にDNAを2分する中心体の役割をみると、原核細胞にもその姿はあります。


右の図をもとに原核細胞の細胞分裂を解説すると、

まず、平常時は、螺旋状の細胞骨格が細胞内に覆われ、その基点に細胞骨格伸長タンパクがあります。分裂時のS期にはいると、複製DNAが細胞骨格を使って細胞両端へ移動を開始し、分裂タンパクが細胞骨格を使って赤道面に移動します。

そしてDNAの複製が完了すると赤道付近では収縮環が形成されるとともに、複製したDNAは細胞骨格上を移動していきます。これは、細胞骨格そのものが収縮(消滅)しながら、分裂したDNAを極に運んでいると思われます。

崩れ落ちていく骨格に必死についていくDNAは、バラバラに落ちていく橋げたの上を走っていくのと同じようなイメージですね。真核細胞も分裂時に染色体を引っ張るときは同じように微小管が崩れていきます。

また消失した細胞骨格の材料は、収縮環の材料にも転化しているかもしれません。収縮環も細胞骨格も細胞骨格伸長タンパクも、組成は違うので別の名前がつけられていますが、繊維性のタンパク質が少しずつ変わっただけという可能性もあります。

そして、最後にDNAが極に移動し、収縮環によって完全に分裂した後、細胞骨格は再形成されます。

こうしてみると、細胞骨格というのは、真核生物で見られる中心体の役割との共通部分が多く、中心体の原基といえるのではないでしょうか。中心体とはエネルギー代謝ができるタンパク質とヌクレオチドの複合体ですから、細胞骨格とはエネルギー代謝ができる複合体だと言えそうです。
 
m132 では、原核細胞のDNA複製のシグナルは何?生物の起源は細胞骨格にあるの?膜にあるの?などどんどん深くなっていく劇場を次回のレポートで述べたいと思います。

最後に
>DNA → RNAに情報転写 → RNAがたんぱく質等生成等を実行 、DNAに逆転写 → DNAが保存機能確保のために複製されるというように、DNAが先に生成される、と読みとれる記述が見受けられるのですが、この、DNAとRNAの組成の順序については、結論が決まっているのでしょうか?もしくは、まだ、何通りかの解釈があるのでしょうか?


は、DNAからタンパク質合成のフローのことかなと思われます。教科書では確かにこう記述されてますよね。DNAの情報がRNAに転写されるところを見るとDNAが先のように見えます。ただDNAからRNAに転写する為にはRNAポリメラーゼでDNAをスキャンするのですが、じゃあこのRNAポリメラーゼはどうやって創るの?というナゾも出てきます。こんな疑問からどこが司令塔となって生命活動が行われているんだろうと、追求が深まってきているのが今の劇場の流れですね。答えは断定できない部分もあるけど、中心体、更にはヌクレオチドとタンパク質の複合体が、その基点になっているのでは~というのが今の時点での結論かな?

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