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2008年12月08日

膜ができるのはなんで??

 こんにちわ。arincoです。前回は、の起源を探る研究について紹介しましたが、 今回は、そもそも現在の生物の膜ってどうなってるの?という所を探ってみました。
 膜ってなんで膜になるんやろ?って思っていたのですが、だいぶすっきりしてきました。以外に知らない事がたくさんあって面白いですよー。ちょっと知りたいとおもってくれた方は、ぽちっとおして続きをどうぞー。
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それでは順を追って探っていきましょー。

・膜の構成要素

 まずは膜の構成要素から。膜はリン脂質タンパク質から成っています。所謂膜を形成しているのは、リン脂質の方ですね。タンパク質は、その膜に突き刺さっています。脂質で構成されているという事で、膜は「脂質二重膜」と呼ばれています。

・リン脂質って何??

 リン脂質は、脂質にコリンという物質とリン酸、グリセリンで構成させる、物質の総称です。
 コリンとリン酸が「頭」,グリセリンが「胴体」,そして2本の脂質が「足」と考えると分かりやすいと思います。足の部分でちょっと折れ曲ってますよね。この秘密も後で説明します。

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・脂質ってなに??

 脂質は「生物から単離される水に溶けない物質」の総称です。特定の化学的、構造的性質ではなく、「溶解度」によって定義されているのが特徴ですね。

・リン脂質は両親媒性物質

 リン脂質は「両親媒性物質」と呼ばれる物質です。これが膜が膜足りえる秘密。
 「両親媒性物質」とは、一つの分子の中に親水性と疎水性の両方が存在する物質の事を言います。リン脂質の場合は、脂質が疎水性でリン酸が親水性です。
 「両親媒性物質」を水の中に入れると、一方は親水性、他方は疎水性ですから、疎水部分は互いに水を避けるようにして一つに集まろうとして、図の様な形を取ります。こうして出来るものは「ミセル」と呼ばれています。
 ちなみに洗剤の仕組はこのミセルを形成する事でヨゴレをミセルに付着させてヨゴレを落とすというものです。
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 ただし、これだけでは内部空間が無いので膜とはいえませんよね。
 ここで重要なキーワードが「濃度」です。「両親媒性物質」(ここではリン脂質)の濃度が一定以上になると、細胞膜のように内部空間が出来るリポソームが形成されるという事が実験で分かっています。
 このようにして膜は出来上がります。膜は水の中ではリン脂質にとって最も安定した構造ですから容易に壊れません。仮に壊れたとしてもすぐに膜の形に戻ります。
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・膜を構成する様々な種類のリン脂質
 膜を構成しているリン脂質は一つではなく様々な種類が存在します。大別すると、
①グリセリンを骨格とするグリセロリン脂質
②スフィンゴシンを骨格とするスフィンゴリン脂質
に分けられます。
 それぞれ担っている役割が異なるのですが、興味深いのが、スフィンゴリン脂質の中の、「セラミド」と呼ばれるリン脂質です。セラミドは、常時は膜の構成要素として存在していますが、外部からある信号が伝わると、酵素により膜から遊離されてアポトーシスを引き起こす伝達物質にもなります。このように膜自体が情報伝達物質としての役割を担っているのです。

・リン脂質の流動「モザイクモデル 

膜を構成するリン脂質は止まっているわけではなく、海のように絶えず動いています。また、タンパク質もリン脂質分子の中を自由に動くことができます。このような膜構造を流動モザイクモデルと呼びます。
 流動性は、横の動きだけでなく垂直方向の動きも存在しています。つまり、脂質二重膜の外側と内側で脂質が入れ替わるのです。この現象を「フリップ・フロップ」といいます。
 また、膜の中でも流動性の高い部分と低い部分があるのですが、この流動性の高低を決めている大きな要因が先程登場したリン脂質の足の折れ曲りなのです。脂質の中である部分の二重結合が出来るとそこが折れるのですが、この折目は、隣のリン脂質との距離を取る為に存在しています。折目を作る事でリン脂質同士の距離が近づき過ぎないようし、流動性を高く保つという事です。
 折れ曲りは足の種類=脂質の種類によって変わりますので脂質が違えば流動性も変わるという事になります。膜は、この「折れ曲がり度」を調整することでリン脂質の密度を調整し,常に,細胞膜の適度な粘性を保っているのでしょう。
 ちなみに流動性の高さは温度にも左右されます。脂質二重膜の疎水性部分は秩序正しく並んでいるが、温度が高くなると規則正しい配列から不規則な配列へと変化し、高い流動性を示すようになる。この流動性を示し始める温度を転移温度といいます。
 さらに流動性はコレステロールによっても調節されています。リン脂質とリン脂質の間をコレステロールが埋める事で流動性を調節するようです。温度が転移温度よりも低い場合は、コレステロールは流動性を高める働きをし、反対に転移温度よりも高い場合は流動性を抑制する働きをします。
 このようにして、様々な方法で膜の流動性は調節されています。


 こうやって調べていくと、リン酸っていたるところに出て来る事が分かってきました。膜はもちろんの事、DNA、RNAでも重要な働きを示すし、AGPやATPもリン酸の数でエネルギーの強さが変わってきます。
 今後は、もう少し「リン脂質」に着目して膜に存在するリン脂質がどんな働きをしているのか?を探っていきたいと思っています。

【参考】
http://kusuri-jouhou.com/creature1/biomembrane.html
http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_2/contents/ch-2/4-bu/4-1-3.htm

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comments

『両親媒性物質』って、はじめて聞きました☆
興味深いですねぇ~♪
図が示してあるので、イメージしやすかったです。

リン脂質の足の折れ曲りは、流動性と関係してたんですね☆
流動性にともない、折れ曲がり度を変えるなんて、なんて賢い☆

膜っていうと、薄っぺらいペランとしたものを思い浮かべがちだけど、
ミクロに見ていくと、こんな仕組みになっていたとは!!
驚きです☆

  • なでしこ☆
  • 2008年12月11日 16:43

すごくスッキリまとまっていて、リン脂質についてとてもよくわかりました!ありがとうございます!!

膜のリン脂質は流動しているんですね~しかも垂直方向にも。流動性を保つ仕組みがあることもしりませんでした。

膜といってもビニールみたいな膜をイメージしたらダメなんだよなぁ・・・。
生物の膜ってすごいですね☆

  • マリグラノール
  • 2008年12月13日 23:23

>なでしこ☆さん
コメントありがとうございます。
 両新媒性物質は結構重要なキーワードだと思います。最近、生物はくっつく、離れるという単純な作用の繰り返しで成り立っている気がしています。

>マリグラノールさん
コメントありがとうございます。ほんとに膜ってすごいですよね。僕が昔調べた膜の機能についても良かったら読んでみてください。
http://www.biological-j.net/blog/2007/07/000244.html

  • arinco
  • 2008年12月16日 14:15
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