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2008年08月08日

エキソン、イントロンって何?

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今日はDNA情報をmRNAとして合成(転写)した後、核の外に出て行く手前で起こっていることを調べてみました。

前回の7月27日のなんでや劇場でも勉強したように、mRNAは、核の外に出てリボゾーム(rRNA)とtRNAと一緒にタンパク質をつくります。
まずDNAから塩基配列を合成したばかりのmRNAには、タンパク質の作り方が書かれている部分と、役割がはっきりしない部分が含まれています。タンパク質の作り方が書かれている部分をエキソン、役割がはっきりしない部分をイントロンと呼んでいます

では、人は30億の塩基配列を持っていますが、その中でこのタンパク質の作り方が書かれている部分(エキソン)は、何%あるでしょうか?

これは、結構驚きですよ Rolling Eyes

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●DNA内でエキソンは何%?
ここは書物等を見ると違う数値が出てきたりしますのでまとめておきましょう。
まず、DNAの中には、1:タンパク質をつくる情報と、2:タンパク質をつくるタイミングを指定する情報、3:役割がはっきりしない領域があります。研究者によっては、ここの分類が違います。

例えば、1(タンパク質をつくる情報)+2(タンパク質をつくるタイミングを指定する情報)を遺伝子領域とした場合、合計で40%です。残りの60%が3(役割がはっきりしない領域)となります。この60%の部分がイントロンです。スペーサー領域とも呼んでいるようです。(ややこしいですね・・・)
最近の研究では、この領域も生命活動に必要な役割を持っているはずだ!っと研究も進んでいます。

ではここで、上記の2の領域をイントロンに含めた場合、60%が95%に跳ね上がります。よって、実際にタンパク質をつくるための情報(エキソン領域)は、全塩基のたった5%しかないんですね(2~3%と言う書物もあります)。この5%で私達の体はつくられています。

ほんとにたった5%でつくってる?と言う疑問もわきますよね?一端置いておいて読み進んでください。

●スプライシングって何?選択的スプライシングは何のためにある?
タンパク質を作るエキソン部分は、DNAのいろいろな所にバラバラに点在しています。mRNAは、DNAから一定の範囲の塩基配列を合成します。その中にはエキソン部分もイントロン部分も含まれます。
エキソン+イントロン+エキソン+イントロン+エキソン・・・という具合に並んでいます。
この状態からイントロン部分を取り除くのがスプライシングと呼ばれる過程です。

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実はこのスプライシング過程で、どの範囲までのイントロンやイントロン+エキソンを取り除くかで、エキソン同士の並びも変わり出来上がるタンパク質も変わります。例えば簡単に示すと、
エキソン1+イントロン1+エキソン2+イントロン2+エキソン3と合成された初期mRNAがスプライシングにより
・エキソン1+エキソン2+エキソン3
・エキソン1+エキソン3
・エキソン2+エキソン3
このように数種類のタンパク質を作るmRNAになることが出来ます。これを選択的スプライシングと呼びます。この選択的スプライシングを使っている代表例が、なんでや劇場の免疫シリーズで勉強したB細胞の抗体です。抗体は、入ってきたウイルスや細菌に個別に対応した抗体を作ります。この多くの種類の抗体を作るタンパク質合成に選択的スプライシングが使われています。

●イントロンの役割って何?
では最後に、役割がはっきりしないと言われるイントロンについてまとめておきます。
DNAの中で95%をしめるイントロン部があることで、結果的にどのような利点があるのでしょうか。
○遺伝子組み換え時にアミノ酸配列情報が壊される確率が下がる。
イントロン部分で遺伝子組み換えが起こると、もとのアミノ酸配列は破壊されない。よってタンパク質合成の変化を守る確率が上がる。
○多くのタンパク質合成を可能としている。
一つは、上記にもあるようにイントロンをどこで切るかにより、選択的スプライシングが可能であり、エキソンの組み合わせにより多くのタンパク質の合成が可能となります。
○トランスポゾンやウイルスの侵入からDNAを守る。
タンパク質合成に直接関係しないイントロンが多くあることにより、DNA内で動く遺伝子と呼ばれるレトロトランスポゾンや外部から侵入するウイルスによるタンパク質合成情報の破壊確率が低下する。

●今後の課題
イントロンを持つのは、真核生物になってからです。原核生物にはイントロンはありません(下図参照)。よってスプライシングもありません。
なぜ真核生物になってイントロン領域が出来上がったのでしょうか。
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上記図は、独立行政法人理化学研究所福岡大学理学研究科からお借りしました。

参考文献:理系総合のための生命科学:分子・細胞・個体から知る”生命”のしくみ
       編・・東京大学生命科学教科書編集委員会
      :Newton DNA 生命を支配する分子 

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古細菌はイントロンあるみたいですねえ。ということは、真正細菌はもともともっていたイントロンをあえてはずしたのかも??

  • yama3
  • 2008年08月09日 10:34

yama3さんコメントありがとうございます。
イントロン更に調べてみました。イントロン、奥が深いです。

イントロンには、核型イントロンとグループⅠイントロン、グループⅡイントロンと3つの種類があるようです。核型イントロンは真核生物にしか存在しないが、グループⅠⅡイントロンは真正細菌や真核生物のオルガネラにも存在するようです。詳細は、こちらを参照願います。季刊誌「生命誌」通 巻29号http://www.brh.co.jp/seimeishi/1993-2002/29/ex_1.html
上記では、真核生物のイントロンの元は、グループⅡでは?との分析です。
動く遺伝子との関係や、イントロンⅠ・Ⅱは種間も移動する?等の面白い記事も多いので見てみてください。

また、ウィキペディアでは、古細菌や真正細菌に稀に存在するイントロンは自己スプライシング型であり真核生物特有のスプライソソーム型は存在しない、とあります。
「核型のスプライシングを行うイントロンは存在しない。」が正しいのだと思います。

  • yooten
  • 2008年08月09日 23:50

古細菌のイントロンは自己スプライシング型ではなく、酵素によって切り貼りされるタイプです。

真核生物はこの酵素反応型、自己スプライシング型の両方を持っていることから、ミトコンドリアを取り込んだ際に自己スプライシング型イントロンに感染したという解釈もあるそうです。

  • Sugari
  • 2008年08月23日 19:51

スプライシングで思い出しましたが、テトラヒメナとタバコモザイクウイルス(TMV)とで、mRNAへの転写様式などは変わるのでしょうか?

  • 2009年01月19日 23:23

yama3さん、yootenさん、Sugariさん、Mさん、はじめまして。

KAMと申します。最近、会員に入れていただきました。

よろしくお願いいたします。

僕は、DNAと言語との類似性からイントロンの役割を考えています。

どちらも1次元上に情報を乗せている点が共通しているだけでなく、単語や遺伝子の頻度分析の中にフラクタル性が見られる点が共通しています。

また、1次元に情報を詰め込むときに、フラクタル的な構造を持つときに情報量が最大になることが知られています。

言語の場合は、名詞だけでは、多様な内容を表現できず、助詞や助動詞などの文法語が、文章を構造化させ、組み合わせを変えることで、表現できる内容を飛躍的に増大させています。

以下は、僕の考えなのですが、イントロンの果たしている役割のうち一番大きいのは、ゲノムが表現できる内容を増大させているということなのではないでしょうか。

進化の過程で、エクソンの量はほとんど増えず、ジャンクDNA領域が増加することで、生物は複雑な形態を手に入れてきたという記事(日経サイエンス・崩れるゲノムの常識)を読んだことがあります。

イントロンは、ゲノム言語における助詞や助動詞の役割をしているように考えているのですが、もしよかったら皆さんのご意見も聞かせてください。

  • KAM
  • 2009年01月21日 00:27
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