2008年07月07日
細菌って何?



前回のなんでや劇場では、細菌の膜タンパク質について勉強しました。
全体の流れや重要点は、このブログの「なんでや劇場レポート」にまとまっています。
まだの方は、以下を是非ご覧ください
・なんでや劇場レポート①
・なんでや劇場レポート②
・なんでや劇場レポート③
さて、今回から数回に分けて、劇場でも出てきた細菌に注目して、基礎的な部分を出来るだけ分かりやすく押さえていきたいと思います。
いつもの応援よろしくお願いします。
●細菌の形状
まず細菌は、形から見るとどのように分類されるのでしょうか?
上図の顕微鏡写真を再度見てください。細菌はこのように大きく3つに分類できます。
左から、球状の球菌、棒状のかん菌、ラセン状のラセン菌。
それぞれ代表的な細菌は、
・球菌:ブドウ球菌、連鎖球菌etc
・かん菌(桿菌):大腸菌、結核菌etc
・ラセン菌:コレラ菌、ピロリ菌etc 等があります。
●細菌の大きさ
細菌は大変小さい。1mm3の固まり(平板上の一つのコロニーの大きさ)で109細胞がいます。
大きさは、約1~8μm(μm=1/1000mm)
●細菌の構造
なんでや劇場でも、よく出てくる原核生物の構造です。
細菌はDNA、細胞質、細胞膜、細胞壁、で出来ています。
総ての菌は構造上、グラム陽性、陰性のいずれかの仲間に分類されます。
劇場で話題になった、「グラム陰性菌」は細胞壁の外に外膜を持っています。
グラム陽性菌と陰性菌の基本的な違いは、まず外膜が有るか、無いかです。又、細胞壁はグラム陽性菌の方がより厚いようです。
グラム陰性菌、陽性菌の形状の違いをまとめると、
外膜 細胞壁 線毛(毛タンパク)
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グラム陽性菌 無い 厚い(250nm) ほとんどない(稀にある)
グラム陰性菌 有る 薄い(8 nm) 有り
この外膜に、鞭毛、線毛(毛タンパク)、きょう膜など付属器官を持つものものがいます。
(以下、細胞断面参照)
●外膜、鞭毛、線毛、きょう膜について、主要な特徴は?
・外膜
外膜は二重膜で、内側の膜はリピドである。外側の膜はリポ多糖体である。リポ多糖体は、細菌の内毒素そのものである。グラム陰性菌による感染における発熱、補体やマクロファージの活性化、ショック症状は内毒素による。
・鞭毛
鞭毛は螺旋状になっている。鞭毛が螺旋方向に回転すればプロペラで進む船のように、菌は鞭毛付着部を尻にして直進する。回転方向が逆になると、鞭毛はでたらめな tumble と云われる運動になり菌はその場所でクルクル回りをする(コイル状の紐をたらし、左右それぞれ回転させて見ると、実際このような運動をするので確かめてみるとよい)。菌が全体として栄養分の多い方向へ移動するのは、菌の進行方向が栄養分の多い方向と一致していれば螺旋方向の鞭毛回転が長く続き、そうでない場合は螺旋方向の運動が長続きせずすぐ tumble してしまう為である。この情報伝達には蛋白のメチル化が関係している
・線毛
線毛(pilus, pili)は他の菌或は宿主の細胞と接着する為の器官である。他の菌との接着に利用されるものは、遺伝子の伝達をする為、性線毛(sex pili)と云われる。宿主細胞と接着するものは、病原性を決める。piliを失うと病原性もなくなる。細菌と宿主の出会いはpiliを介した接着で始まるからである。繰り返すと、線毛は、細菌が他の細菌あるいは動物細胞と相互作用をするにあたって最初に必要な接触を行う器官である。
・きょう膜
莢膜(capsule)は細菌の外側に存在する構造物である。細菌を宿主の攻撃から守り、多くは多糖体である。従ってこれを持つ細菌は持たない菌と比較し病原性が高い。
最後に、グラム陰性菌・陽性菌の断面の詳細を紹介しておきます。
以下の図は、こちら からお借りしました。

引用及び参考・図:微生物学講義録
- by yooten
- at 23:07

comments
>外膜は二重膜で、内側の膜はリピドである。外側の膜はリポ多糖体である。リポ多糖体は、細菌の内毒素そのものである。グラム陰性菌による感染における発熱、補体やマクロファージの活性化、ショック症状は内毒素による。
この部分が良く分かりませんでした~。もうちょっと詳しく教えて下さい~。あと、細菌って、なんで菌って言うんですかね?最近以外にも菌ってあるのかしら?知ってたら教えて下さい~。
>グラム陰性菌による感染における発熱、補体やマクロファージの活性化、ショック症状は内毒素による。
私も↑の部分気になりました~!
私も知りたいです☆
グラム陽性が膜が厚くて、グラム陰性が膜が薄いのはわかりましたが、ひとつ知りたいのですが、グラム陽性、陰性ってなんでできるんでしょうか?
どのようなメリットがそれぞれあるのでしょうか?
いろいろ質問ありがとうございます。
調べて見なしたよ~!!満足していただけるかどうか・・・
ちょっと長くなります。
まず、
>リポ多糖体は、細菌の内毒素そのものである。グラム陰性菌による感染における発熱、補体やマクロファージの活性化、ショック症状は内毒素による。<について、刺胞細胞さん、あいあいさん
グラム陰性細菌の病原性のリポ多糖(LPS)はエンドトキシンとも呼ばれるようです。このリポ多糖体(LPS)の糖鎖の先端にあるのが、O-157で有名になったO抗原です。
もちろんこの糖鎖が充分に伸びずO抗原のない菌は、病原性はありません。上記でご紹介しているHPに図がありますので見てみてください。
グラム陰性菌には、外毒素と内毒素を持ってるものがいます。外毒素は、生きた菌が産生して菌体外に放出します。O-157が出す「ベロ毒素」とは、この外毒素です。
このベロ毒素が、私達、真核細胞のリボゾームに感染します。
このリポ多糖体の根本にあり、リポ多糖体をつなぎ止めて、グラム陰性菌の外膜を構成しているのがリピドと呼ばれる部分です。
内毒素であるエンドトキシンは、菌が死ぬことによって遊離します。
これを、ヒトや動物に注射すると、発熱がおこり、一時的に白血球が減少し、また多量に与えると死に至ることがあるそうです。
このエンドトキシン(内毒素)は、自然免疫系と反応します。
例えば、免疫との関係で、エンドトキシンショックという病気があります。
自然免疫は、TLR4と呼ばれる受容体を持っています。エンドトキシンは、この自然免疫系のTLR4受容体を活性化します。本来、この免疫応答は感染からの防御を担っていますが、感染により過度に活性化した場合、敗血症を引き起こします。全身的に急速に進行するショック症状を、エンドトキシンショック(敗血症性ショック)と呼んでいるようです。
参照:http://www.jst.go.jp/pr/info/info403/zu1.html
>細菌って、なんで菌って言うんですかね?<刺胞細胞さん
これは、結構調べてみたんですが、分かりませんでした。カビとかの真核細胞を「真菌」と呼ぶようですね。どなたかご存じの方、よろしくお願いします。
>グラム陽性、陰性ってなんでできるんでしょうか?
どのようなメリットがそれぞれあるのでしょうか?<鷹の目さん
なんでできているとは?ペプチドグリカンとか?構造がどうなっているのか?という意味でしょうか?
グラム陽性菌、陰性菌の具体的な構造・機能の違いや、何故この違いができたのか?等は、詳細を調査中です。申し訳ありませんが、もう少しお待ちください。