統合サイト るいネット
RANKING
ブログランキング・人気ブログランキングへ にほんブログ村 科学ブログへ
NEW ENTRIES
ARCHIVES


2008年07月05日

免疫細胞が標的細胞をアポトーシスさせる仕組み

免疫細胞、特にNK細胞やキラーT細胞を調べてみると、その機能として癌細胞や感染細胞の「アポトーシス誘発」があげられます。
そこで、アポトーシスの誘発とその機構についてまとめてみました m062

まず、アポトーシスって何? Rolling Eyes ということで、基本的なことから、、、、 m057


m118    応援よろしくお願いします    m118
ブログランキング・人気ブログランキングへ  にほんブログ村 科学ブログへ  


アポトーシス(細胞死)は、おたまじゃくしがかえるへ変態する時に起こる尾の吸収や、指間の細胞の除去しながら胎児の手足の指の形成されるように、プログラムされたものもあれば、リンパ球がウイルス感染した細胞を死滅させるためにアポトーシスを誘発させるように、生態防御のための外因性のものもあります。
アポトーシスの機構は様々ですが、生体を維持するためには不可欠の機能。だから、異常があったら大変です!

アポトーシスは、種々の因子によって誘発されます。

たとえば、、、

m219 アポトーシスを直接誘発する刺激
・グルココルチノイドによる胸腺細胞アポトーシス
・甲状腺ホルモンによる両棲類の変態 など

逆に、こんな場合も、、、

m219 成長因子などの生命維持に必須な因子の欠如
・神経栄養因子の除去による神経細胞アポトーシス
・インターロイキン欠乏によるリンパ系細胞のアポトーシス など

そしてこれらをきっかけとして、

m121 細胞のレセプターを介し、細胞内の情報伝達系により「死のシグナル」が核に伝達される。
m122 ホメオティック遺伝子の発現変化や、細胞死を制御する遺伝子を発現させる。
m123 細胞死に直接関与するたんぱく質を合成する
m124 細胞の種々の生化学的変化を伴った形態学的変化を起こし、死に至る

と、考えられています。

(死のシグナルとは、細胞内のミトコンドリアから放出されるたんぱく質によるものです。詳しくは、こちらのサイトを。)



アポトーシスが起こるときには、上記のようなRNAやたんぱく質の合成が生じますが、こうしたRNAやたんぱく質の合成に依存せずに、外部シグナルにより起こるアポトーシスもあります。それが、補体や細胞障害性T細胞、NK細胞、マクロファージや、それらが分泌する因子によって、標的細胞に死を誘発する生態防御としてのアポトーシスです。

たとえばNK細胞が癌細胞をアポトーシスさせる場合には、

m121 NK細胞が癌細胞を認識し、接着する
m122 孔形成たんぱく質パーフォリンや、グランザイムという顆粒を放出する
m123 NK細胞の接着によって生じるシグナルや、放出顆粒の複合作用によって癌細胞のアポトーシスプログラムが活性化し、細胞は死に至る


と考えられています。

(標的細胞がアポトーシス誘発プログラムをもたない場合もあり、その時は、細胞内へのイオン流入などによってネクローシスが誘発されると考えられています。)



ちなみに、細胞障害性T細胞は、上記のNK細胞のアポトーシス誘発法に加えて、Fasによって標的細胞をアポトーシスを直接刺激してアポトーシスさせる仕組みももっています。

それは、、、

m121 標的を認識する(結びつく)
m122 表面にFasリガンドを更に産生する
m123 産生されたFasリガンドが、標的細胞表面にあるFasと結びついてアポトーシスによる死滅を引き起こす。

という機構です。

Fasによって標的細胞をアポトーシスさせる仕組みについては、同じくこちらに詳しくあります

私は、細胞障害性T細胞が、NK細胞にはないアポトーシスの誘発方法をもっているなんて知りませんでした!驚きです Shocked



~最後におまけ~

NK細胞のアポトーシス機構といえば、体内の癌細胞への攻撃が有名。そこで、癌とアポトーシス関係も簡単に触れておきます。

m219 癌とアポトーシスの関係

癌とは、本来死ぬべき細胞がその制御メカニズムに何らかの障害を受けたために、無制限な自己増殖をはじめたものです。

癌といえば「転移して無限に増えていく」というイメージを持っていましたが、止むことなく続く(悪性)癌細胞の増加は、単なる細胞の増殖能の異常というだけでなく、実は、細胞分化の制御機構にも異常をきたしている状態です。つまり、正常細胞のもつアポトーシスの異常によって起こっているともいえるわけです。現に、これまで発見されている発癌遺伝子や癌抑制遺伝子というのは、細胞増殖にかかわるだけでなく、アポトーシスの誘発や抑制にもかかわっていることが明らかにされてきているそうです。
アポトーシス異常によって発生・進行する癌細胞に対して、NK細胞は、アポトーシスの誘発機構を使って攻撃しているんですね。

参考書籍 「アポトーシス 細胞機能と分子機構」中外医学社発行
参考サイト 役に立つ薬の情報
       海外癌情報リファレンス アポトーシス

trackbacks

trackbackURL:

アポトーシスのソルウィード療法 from あすなろ健康食品情報

アポトーシス能力が優れていると言われる新しい機能性成分ソルウィードについて調べてみましょう。 ◆ソルウィード「SOLWEED」とは 近年、フ...

comments

免疫細胞信号によるアポトーシスと、発生時にタイマーがきたかのように自動的に発動するアポトーシスがあるわけですね。しかし、外圧に対応してアポトーシスするしないがかわりうる可能性も担保されている可能性が生命体にはあると思うのですが、つまり、免疫細胞のような変異を察知してアポトーシスプログラムを起動させるという仕組みが発生メカニズムにあるのでは、と思うのですが・・・ないのですかね?

それが分かれば、多細胞化と免疫細胞の起源の関係がかなりすっきりとみえてくると思うのですが?

  • 2008年07月06日 16:09

こういったアポトーシスという仕組みがあるから、生体は維持されているというのを改めて認識しました!

ほんとすごいです!!

  • さんぽ☆
  • 2008年07月07日 00:36

コメントありがとうございます。

>外圧に対応してアポトーシスするしないがかわりうる可能性も担保されている可能性が生命体にはあると思うのです
>それが分かれば、多細胞化と免疫細胞の起源の関係がかなりすっきりとみえてくると思うのです

なるほど。
外界の状況が変化したときに、生物がどうやって生き延びようとするか、ってことですね。
エサ不足になれば、細胞がたんぱく質を作るための材料も確保できなくなるので、必然的にアポトーシスプログラムを作動させる(アポトーシス抑制の因子が作れなくなる)可能性はあります。
(こういう意味で合ってますか?)
ただ、変異性の高い細胞が、遺伝子異常でうまくアポトーシスが起こらない場合、無限に増殖しても困るので、隣の細胞かなんかがぷちっとアポトーシスさせてくれると助かりますね。
免疫細胞って、もしかしてそんなイメージ???

今度コメントくださる時は、ぜひお名前も入れてくださいね☆

  • zakky
  • 2008年07月07日 03:59

さんぽ☆さん、コメントありがとうございま~す!

アポトーシスのしくみって、「すごい!」ですよね。
私も、調べ物をしてて、ついつい仕事を忘れてめりこみそうになりました(笑)

また、コメントしてください☆

  • zakky
  • 2008年07月07日 04:06
comment form
comment form