2007年12月20日
マウスの発生過程

イノシシよさらば、マウスよこんにちは
という訳で、
来年の干支は「ねずみ」です。
マウスとヒトではお腹の中にいる期間が10倍以上もちがうのに
発生の過程はタイヘンよく似ています。受精後26日程度のヒトの胎児は
マウスの10日目頃の胎児とソックリだといいます。
以下、受精からマウスらしい形になるまでの10日間を
駆け足でたどってみます。
引用文献
柳澤桂子 「卵が私になるまで-発生の物語-」
そのまえにコチラ。

卵管に放出された卵には約2時間後に一匹の精子が入ります。受精後25時間までに最初の分裂がおこります。32から64細胞の
胚の時期に胚の中央に液体で満たされた隙間ができます。この隙間の
ことを胞胚腔と呼び、胞胚腔をもつ胚を胚盤胞と呼びます。胞胚腔は次第に
大きくなり、やがて一層の細胞で取り囲まれるようになります。受精後4日目の胚は子宮の中に入っていますが、まだ子宮の壁に着床せず、
遊離しています。やがて、胚は周囲を覆っている透明層を破って外へ出ます。胞胚腔を取り囲む一層の細胞が子宮の壁と接着して着床が始まります。
胚は子宮の粘膜に取り込まれるようにして、母親の組織と融合します。
着床が完了するまでは、栄養が補給されないので胚は生長しませんが、
着床によって、その後の胚の生長が保証されます。胚は内部細胞塊と
呼ばれる部分と子宮との融合に関与する部分にわかれています。受精後5日目の胚では内部細胞塊は卵型になって、外胚葉と内胚葉の
分化がみられます。ここからはマウスそのものになる内部細胞塊の分化
だけに注目していきます。6日目になると、外胚葉細胞層の中央に液体で満たされた空洞ができます。
中身のつまったボールの内部に隙間ができて液体が満たされたと
考えて下さい。ボールの内側は外胚葉細胞で、その外を一層の
内胚葉細胞が取り巻いています。外胚葉細胞層の中にある1点で、
中胚葉細胞の誘導がはじまります。中胚葉細胞は、外胚葉と内胚葉の
間に出てきて、時間がたつにつれて誘導される中胚葉細胞数は多くなります。
外胚葉と内胚葉の間に出てきた中胚葉細胞は前後に移動しますが、
その移動の速度により中胚葉細胞の生じる速度が速くなるので、
生じた中胚葉細胞が外胚葉層の部分に蓄積して、外胚葉層が肥厚してみえます。
この部分のことを「原条」と呼びます。原条のある部分が胚の後部になりますので、原条の出現によって
胚の前後を視覚的に区別することができるようになります。原条のある方に
尾が生え、それと反対側に頭ができてきます。原条から落ち込んだ中胚葉細胞は前後左右に移動して、胚全体が、
外、中、内胚葉という三層構造になります。胚の前方には、口になる部分の
くびれ込みも見えて、胚はタツノオトシゴのような形になっていきます。原条は6日目から9日目の胚にみられます。原条が形成された後、
早期にできる中胚葉細胞はおもに脊索になり、その次の時期にできる
中胚葉は体節になると考えられています。さらに胚の発生が進むと、
原条から落ち込んだ中胚葉細胞の一部は、胚そのものよりも後部に
移動して尿膜と呼ばれる薄い膜状の構造を作ります。尿膜はさらに伸びて
子宮と胚の接点にある胎盤に到達し、へその緒になります。へその緒を通して
母親から養分が送られ、胚の排泄物を母親に送り返します。胚が生長するにつれて、原条は相対的に胚の後部に移動します。
したがって、胚の後部の外胚葉層から落ち込む中胚葉ほどおもに
胚の後部の中胚葉を形成することになります。7日目から8日目の胚では中胚葉細胞が盛んに原条から落ち込んでいますが、
9日胚になると原条は胚の後方に移動して、落ち込んでくる中胚葉細胞の
数も少なくなります。9日の終わりまでには中胚葉細胞の誘導は終わり、
原条はなくなります。受精後9日目にはマウスらしい形ができあがります。10日目からは尾も伸びてきます。その後色々な器官や組織が分化して、
マウスは20から21日目に生まれます。
ふー
たかだか9日間とはいえ、言葉で表すのはタイヘンだー。
ちなみに図解はこちら。

それではみなさん、良いお年をー
チュー チュー
うらら
- by trend
- at 13:28




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