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2007年09月05日

オスメス(性)分化と生物進化

オスとメスが交尾して子供が産まれるのが当たり前と考えてしまいがちですが、これまで見てきたように、動物には様々なオスメス分化と生殖方法があります。オスメスが分化していない雌雄同体や、オスメスが入れ替わる性転換、オスメスが交尾しない単為生殖などです。

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「この画像は朝日大学生命教育の窓性の分化と性の決定より転載しました」

様々なオスメス分化の様子を、生き物の進化にしたがって整理してみると、一つの明確な傾向を読み取ることが出来ます。続きを読む前にこちらもお願いします。
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雌雄同体の動物は、ミミズ(環形動物)、ナメクジ・カタツムリ・ウミウシ・貝類の一部(軟体動物)、フジツボ・カメノテ(甲殻類)、ホヤ(原索動物)など原始的な生き物に見られます。

雌雄同体の動物はさらに、交配するものと自己受精するものに分かれます。ミミズ、ナメクジ、フジツボなどは交尾を行いそれぞれが卵を産みます。貝類の一部は交尾をせず精子を海水中に放出するだけで自己受精するものもあります。ホヤも精子を海水中に放出しますが、卵膜が自己認識機能を持ち自己受精を防いでいるようです。

性転換する動物は魚類に見られます。一番多いのが雌性先熟(しせいせんじゅく)、雌として生まれて成長すると雄になるというタイプで、身近な魚では、ベラ科・ブダイ科等があります。逆の雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)のタイプは身近な魚では、ウツボ科・コチ科・タイ科・アカメ科・クマノミ科があります。

魚にも雌雄同時成熟=雌雄同体のものはいますが、かなり少数派になってきています。地中海などにすむペインテッドコムバーは雄と雌の役割を交換しながら産卵・放精を繰り返すそうです。このほかにも、ヒメ・ハタ・メダカ類の中には、雄と雌の器官が同時に成熟するものが知られています。カダヤシ亜目のマングローブキリーフィッシュ(Rivulus marumoratus)という魚は、卵巣と精巣をもち、さらに自家受精をします。

両生類や爬虫類、鳥類、哺乳類となるとさすがに雌雄同体はいませんが、両生類はホルモン投与で性転換することが比較的容易に可能なようです。

爬虫類は卵が受精した段階では性が決まっておらず、卵が成長する環境の温度でオスになるかメスになるかが決まっています。ミシシッピーワニは32℃以上だとオスになり、32℃以下だとメスになるそうです。

鳥類と哺乳類は遺伝子レベルで性が決定されていて、環境に左右されることはありませんが、鳥類では雌性ホルモンを抑制することで人為的に性転換することが可能です。

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「この画像は雄と雌が決まる仕組み 魚から鳥、哺乳類までから転載しました」

動物の生殖には、以上の有性生殖のほかに単為生殖があります。単為生殖は卵が受精することなく分裂し成体に成長することです。ハチやアリの単為生殖は有名ですが、魚や爬虫類、鳥類でも自然単為生殖は行われています。

動物は遺伝子の中に雄性、雌性の両方を持っており、性遺伝子の発現を発動抑制する機構がホルモンであったり、温度であったり、生物の種類によって違いがあることで性の固定度が変わってきます。

原始的な生き物ほど、どちらの遺伝子も比較的簡単に発現し、生殖組織(精巣や卵巣)を形成し生殖することが可能ですし、単為生殖も起こり易いようです。しかし、進化するにしたがってオスメスの固定度が高くなり有性生殖では無い生殖方法(単為生殖)は困難になります。

最もオスメス分化を進めた形で進化した哺乳類は最も性の固定度が高く、現代の技術をもってしても人工的な性転換さえ不可能です。また、単為生殖はクローンよりも複雑な過程を経て、やっとネズミで成功したところです。

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温度によって性が決定される事例を調べてみました。

・ミシシッピーワニは34℃以上ですべて雄になる。
・アカウミガメは32℃以上ですべて雌になる。
・カミツキガメは28~30℃で雄になり,それ以外 の温度では雌になる。
・フトアゴヒゲトカゲは、22~32℃では遺伝的に決定され雄:雌=1:1となるものの、34℃以上では雌比が著しく高まる。

種によって、様々なパターンがありますね。どんな必然性があるのでしょう?? 教えてください。

  • アニマルマニア
  • 2007年09月05日 12:48

コメントを入力してください
メスニワトリにホルモン投与でオス化する写真を見て驚きです。これは人為的なもので、爬虫類には温度により雌雄が決定されるというのがあるのも驚きでした。井口泰泉教授、渡邊肇助教授の研究で性ホルモンの受容体が転写因子であること、ホルモン依存的な転写活性の測定の結果、濃度依存的な転写活性を有するというものを拝見しました。これは温度により分泌されるホルモン量の差が性を決定するということなのでしょうか。

  • 2007年09月05日 13:13

温度による性転換(温度依存性決定)を行なう種は魚類・両生類・爬虫類においてであり、鳥類、哺乳類においては見受けらないということは、やはり、弱者であることと適応しやすい温度の間に関係があるということですかね。

ところで、参考になるかはわかりませんが、性別が決定される時期というのは、概ね胚発生をしてから18~30%に達した時点で決定するそうです。

トカゲ、ワニですと、孵化期間を4等分したうちの3期目、カメでは3等分したうちの真ん中にあたるらしいです。

性別が孵化する直前の時期で決定するということは、厳しい環境において種を存続させるためには必然なのかもしれませんね。

  • kuro
  • 2007年09月05日 13:51

爬虫類の温度による性決定のばらつきは、必ずしも生存に優位とは思えません。オスメス比が大きく変わると交尾可能性が減るからです。(ハレムをつくる動物の場合は別)

環境に適応するために、温度変化に応じてオスやメスを増やすシステムを作り出したとは考えにくいように思います。

むしろ、オスメス決定のシステムが原始的なために、性決定のシステムが温度による影響を受け、生息域をせばめる要因の一つになっているのではないでしょうか。

  • nodayuji
  • 2007年09月05日 22:56

nodayujiさま

>むしろ、オスメス決定のシステムが原始的なために、性決定のシステムが温度による影響を受け、生息域をせばめる要因の一つになっているのではないでしょうか。

これがどういうことなのかイメージできません。詳しく説明していただけませんか?

  • 2007年09月06日 16:04

>これがどういうことなのかイメージできません。詳しく説明していただけませんか?

オスメス決定が温度依存になっているのは、多分、性決定を担っている物質(ホルモンなど)が、限定された温度でしか機能しないから。

温度変化で機能しなくなるシステムは、多分、複数のバックアップシステムを持っていないのだろうと想定し、原始的と表現。

一定温度意外だと性別が偏ると、オスメスが出会う確立が下がり、生殖確立が下がる。

すると、温度に依存しない性決定システムの生物に比べ、繁殖力が劣ることとなり、生存競争で敗北する。

というようなことを考えました。

  • nodayuji
  • 2007年09月08日 14:23

>オスメス決定が温度依存になっているのは、多分、性決定を担っている物質(ホルモンなど)が、限定された温度でしか機能しないから。


実に原始的、かつシンプルな回答だと思います。

カメなどが穴を掘り産卵するのは、穴の中はある程度温度が一定に保たれているからであり、メスが生まれる確立が高くなるからとかいてありました。
なるほど。


答えは常にシンプルですね。

逆に哺乳類の方が自分達で複雑にして勝手に迷路に迷い込んでいるだけのようにも感じてしまいます。

  • kuro
  • 2007年09月12日 13:56

 仰ることは理解しました。しかし、より原始的な生物でも性決定機構は温度に依存しなかったり、依存が低いものは沢山います。温度依存的に性決定(TSD)がなされる生物は、むしろ適応戦略上、そのほうが有利であったので積極的に選択が起こった結果進化したと考えるのが妥当でしょう。また、哺乳類や鳥類にTSDするものがいないのは、恒温性を獲得した結果としての必然であると考えるのが最節約的だと思います。

  • 2007年09月06日 16:04にコメントしたものです
  • 2007年09月12日 15:09
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