2007年08月22日
水が液体として存在できる条件

水は生命に必要不可欠である。水素結合と呼ばれる特徴的な性質を備えているからだ。水素結合には、分子同士を緩やかに結びつける利点がある。この為、様々な物質を溶かす有効な溶媒となる。水は生命活動に必要な化学反応の場を提供しているのである。
ところで太陽系を観測すると、水が液体で存在するのは我々の住む地球だけである。生物が進化できるくらい長期に渡って、惑星上に水が液体として存在する為には、どのような条件が必要となるのだろうか?
■太陽からの距離
太陽からの距離によって、惑星が受けるエネルギー量が変わる。太陽から近い金星の地表温度は460度であり、水は蒸発してしまう。逆に太陽から遠い火星の地表温度は-60度であり、水は永久氷土として凍結してしまう。水が液体として存在できる領域は、太陽から地球までの距離の0.9~1.3倍の間である。生命が存在できる限られた領域=ハビタブルゾーンに、偶然にも地球は位置しているのである。
■惑星の大きさ
太陽からの距離が同じでも、惑星質量が小さいと、大気を維持する重力が弱く、水を失うスピードが速くなる。逆に惑星質量が大きいと厚い大気を形成し、温室効果により灼熱の星になる。水を地表に保持するためには、現在の地球の0.85~1.33倍の大きさとなる必要がある。
■太陽の大きさ
地球を例に考えると、高等生物に進化するには30億年の時間が必要となる。恒星の寿命はその質量で決まる。質量が大きい星は燃料の消費速度が早く、寿命は短い。太陽質量の1.2倍以上の星は寿命が30億年未満となる。逆に質量が小さいと、放出エネルギーが少なく、また不安定となる。長期に渡り、安定したエネルギー放出が可能な条件は、主星の質量が太陽の0.8倍~1.2倍と言われている。
長期に渡り生命を宿し、生物進化が可能となった惑星=地球。その奇跡は、恒星や惑星の位置、大きさが、偶然にも、水を液体として保持できる条件に当てはまったからなのである。
タニザキ
- by tanizaki
- at 22:53





comments
そうだったんだ・・・Σ(゜Δ゜*)
こうやって改めて地球を知ると、ホントに偶然に偶然が重なって出来た星なんだなぁーって実感出来ますね(*´∀`*)
そんな星を、環境破壊など自分達の手で壊していってるんだと思うと、何だか切ないです(>_
そうですね。環境問題は、単なるイデオロギーではなく、自然の摂理(=現存の構造)を学ぶことで、答えに近づいていくのだと思います。
>様々な物質を溶かす有効な溶媒となる。水は生命活動に必要な化学反応の場を提供しているのである。
だから「水が液体で存在している」ってところがポイントなんですね!
地球上の奇跡的な生命進化については全く同感です.しかし一方で,生命の幅はもっと広いことも是非述べておきたいと思います.
この地球上でも,0℃未満の極地や100℃以上の高圧海底下で,多くの生物が生存していることを皆さんご存知だと思います.始生代の地球環境は新生代とは比べ物にならない厳しいものであったはず.大変デリケートな問題ではありますが,1気圧下での水の存在だけでは,生命の可否は論じられないようにも思います.
この問題を問いかけられるたびに(個人的に)思い浮かべるのは,ハル・クレメントの小説”重力の使命”です(もっと言えば早川文庫版に併載された”メスクリン創世記”です).本サイトの参加者にはご存知の方も多いと思います.
理科教師としても知られる氏は,朋友のアイザック・アシモフと,あえて炭化水素を溶媒とした生命進化を仮定し,様々な可能性に言及しています.広範囲の圧力下での凝固点降下・沸点上昇はもっと調べられてよいと思います.
私としては,水(H2O)分子の非対称性による高誘電率(つまりイオン化の容易さ)が非常に重要だと思っていて,炭化水素溶媒では水環境下に比べて進化速度が数桁落ちるとの試算をしています.しかし実際にはデータが少なく(私のような素人には)これ以上は判りません.是非皆さんの意見をお聞きしたいと思います.
>az2さん
"重力の使命”読んだ事ないデス。面白そうですね。ぜひ読みたい!
イオン化傾向が強いと言う事は物質の媒介として非常に優れているという事でしょうか。
生物が外圧適応体だとすると、水の存在は、生命の誕生及び初期段階の進化には重要だった気もします。僕も素人なので予想ですが笑