2006年12月07日
原猿→真猿、視覚機能の進化
今日は目
の進化のお話。舞台は5300万年前。当時、地球上では気温が10~20℃も上昇し、広葉樹林が拡大して「樹冠(=枝の重なり)」が誕生していました。これは樹上生活者である猿類にとって、実に画期的な環境の変化だったのです。

それまで原猿は樹間移動する際、「樹冠」が無い為、地上に降りる必要がありました。地上移動は命がけ
。肉食哺乳類が狙っているからです
。ワオキツネザル(原猿)のようなユーモラスな2足スキップ歩行
は、TV番組でもお馴染みですが、あれは、視野を高くし周囲を警戒しながら、次の樹木へと全力で地上移動する姿なのです。地上移動は危険と隣り合わせの決死行でした
。
それが、5300万年前「樹冠」が登場したことで、地上に降りずとも、枝から枝へと飛び移り移動することが出来るようになったのです。この新しい環境に適応しようと進化したのが目の構造でした。大きくは3点、新しい視覚機能をこの時に獲得し、原猿から真猿へと進化しています。
●1点目「立体視の進化」
原猿では、両側に離れて付いていた目が、より近づき前方へ移動してきます。2つの視野が重なる部分を増やすことで、立体的に物を見ることができるようになります。枝から枝へと飛び移る時、次の枝までの距離を正確に把握する必要があります。それを可能としたのが立体視なのです。

●2点目「眼窩の進化」
「眼窩」は目玉をソケットのように保護している骨ですが、原猿に比べ真猿は、ソケットが大きくなり、目玉を固定するような形状に進化しました。枝から枝へと飛び移る大きな運動に耐える目の構造を獲得したのです。原猿段階では眼窩が小さく、目玉が揺れて、視覚がブレていたのかもしれませんね。

●3点目「色覚の進化」
樹上という第4世界を手に入れ、夜行性から昼行性に変わりました。それまで、外敵から逃れる為、暗闇に紛れ、夜行性だったのが、安全な環境を手に入れたことで、昼行性も可能となったわけです。光のある環境では色を識別できた方が、餌や外敵認識に有利です。モノクロの世界からカラーの世界へ進化したのです。
よく見える視覚機能を獲得し、樹上適応したことで、真猿は大いに繁栄をはじめました。第4世界という地上の楽園を手に入れ、数がふえていった真猿がその後どうなったか?それは次回のお楽しみ。<
タニザキ>
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- at 01:02



comments
はじめまして
猿の進化と視覚機能の話し、とても興味深く読ませていただきました。視野の広さを犠牲にして、立体視を進化させた、ということですね。
自分で確認しましたら、前をまっすぐ見ている状態で視野は140度程度、目玉を動かすことで180度見え、首を回すことで水平方向で360度見えました。腰を回すことで、やっと死角がなくなりそうです。
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