Biological Journal
 
塗り重ねの原理(外圧適応と進化積層体)
18007 神経系の塗り重ねと適応可能性
 
鈴木隆史  ( 36 静岡 建築士 ) 01/12/07 AM01 【印刷用へ

様々なホルモンを分泌することで、代謝や生殖、あるいは老化など、生物としての最も根本的な機能を統合しているのが、視床下部と脳下垂体という"古い脳"ですね。

視床下部と脳下垂体が(基本的には)無髄神経を通じて直接、代謝や生殖等の機能をアナログ的に制御しているのに対して、主に大脳新皮質から延びる有髄神経は、各臓器に繋がった無髄神経(古い神経系)と、神経節で接続され、その働きを間接的、デジタル的に制御している、といったイメージでしょうか。

例えて言うなら、旧来からある内燃機関のメカニズムはそのままで、新しい電子回路によって統合的に制御された今の自動車のように。しかし、自動車であれば、電子化によって統合的制御を可能にする、という理解ができますが、生物の場合、古い脳だけでも代謝系や生殖系というシステムは成立していたはず。

なぜ、ここに新しい制御系が付加されていったのか?また、そもそも大脳新皮質という新しい脳(中枢)と、視床下部や脳下垂体といった古い脳(中枢)は、接続されているのだから、新しい制御系の末端が直接古い制御系の末端に接続する必要は無いのではないか?

と、そこまで考えると吉国さんが言われるような、可変性なり創発性という、概念が当てはまるような気がします。

つまり、生物としては一旦統合された本能はそのままに、新しくニューロン〜シナプスという極めて創発性(可塑性)の高いシステムによって、肉体というハードウェアを動かすソフトウェアを柔軟に(創発的に)組換え可能な構造になっているのではないか。実現論でも触れられている"塗り重ね構造"によって外界の変化に適応しているということです。

進化した生物ほど適応度が高く、肉体的には容易に変わり得ない、といった印象を持っていましたが、もし上記に書いたことが正しいなら、少なくとも脊椎動物は、適応度を上げるのと同時に、適応可能性そのものも上げていることになります。

 
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